週 句 あなたのことを、耳にしてはおりました。しかし今、この目であなたを仰(あお)ぎ見ます。
聖書 ヨブ記 42章 5節
説 教 「別の道を通って」 高橋周也牧師
聖書 マタイによる福音書2章9~12節
「本当のクリスマス?」
クリスマスおめでとうございます。教会の暦では今日クリスマスを迎えました。クリスマスの喜びが皆さまの上にありますようにと心から祈り願います。
世界中の教会でクリスマス礼拝が行われます。そこでキリスト者がごく少数である日本では、この機会に人々を教会へお誘いしようとします。しばしば「教会で本当のクリスマスを」という旨の言葉が使われます。いわゆるその伝道活動の基底には、「本当のクリスマスは教会のものだ」という前提が、疑われることもなく横たわっているように思われます。
場所が教会だからといって、教会のは本当の物だとの主張は通りません。私は教会の外で生まれ育ちました。父を天に送った年のクリスマス、キリスト者となって初めてのクリスマスに、昼間は父の四十九日法要のためにお寺へ、夜は教会の聖夜礼拝に出ました。そのどちらにもクリスマスがありました。プログラムの内容で考えるなら、12月の「クリスマス・シーズン」(実は、教会の暦ではアドヴェントなのですが)に行われていることは、実は「教会でもやっているクリスマス」なのかもしれません。教会が自分たちのは本物だと言うなら、教会ではイエス様を拝むということが、まことに問われているのです。
そして、実は肝心なのは、ここから2ヶ月間(降誕節)です。今朝読まれる聖書のクリスマスの箇所において、占星術の学者たちが初めてクリスマスの礼拝行為をしたのは、宮殿を訪問したものの、そこにあると思っていた旅のゴールはなく、アテが外れて現実に引き戻された夜です。そして、礼拝から出発して新しい道を通って歩むことになった、その始まりの時です。それが本当のクリスマスです。その意味において、昨年に引き続き、今年のクリスマス会は大いなる喜びを頂いたときでした。神様、皆さま、本当にありがとうございます。