週 句 わたしを呼べ。わたしはあなたに答え、あなたの知らない隠された大いなることを告げ知らせる。
聖書 エレミヤ書33章3節
説教者紹介 説 教 「祈りに応える『祈り』」中田義直牧師
聖書 使徒言行録16章6節~10節
「一人の人の呼びかけと祈りから」
バプテスト連盟の教会では、毎年、11月の最後の日曜日から12月最初の日曜日までの1週間を世界祈祷週間として、国外伝道、世界宣教を覚え、祈り捧げる時としています。この運動は、1873年に中国に派遣されたロティー・ムーンの女性たちに対する呼びかけによって始まりました。
そして、この祈祷週間は世界中のバプテスト教会で守られ、連盟では日本バプテスト女性連合がその推進の働きを担っています。近年では、ジェンダーの観点で教会全体での取り組みを目指す教会があります。また、世界への宣教を呼びかけた、ロティー・ムーンの時代は女性が牧師になることが認められず、国外の宣教師であれば認められたという女性に対する差別がその背景にあったことなどにも目が向けられています。
このような時代状況や背景にある課題と向き合いつつ、この運動が一人の女性の祈りと呼びかけによって始まったことを覚えたいと思います。
使徒言行録16章には幻を通してパウロに伝えられたマケドニア人の叫びに応えて出立するパウロの姿が記されています。このとき、パウロは伝道旅行の途上にあって次に行くべき場所について、悩み、考えていました。彼らの計画が聖霊によって妨げられる、また、イエス様によって予定の道が閉ざされるという経験をしていました。ここで気づかされることは、パウロたちが予定通りに進まないときに、そこに、神様の計画を見ていたということです。ロティーは女性差別の中で牧師の道が閉ざされたとき、それでも、伝道への情熱を持って宣教師という道を歩み始めました。差別は克服されなければなりません。差別を肯定することはできません。そのことを前提としつつ、ロティーが神様の御心を求め続けたことを通して、世界宣教への祈りが今も受け継がれていることを覚えたいのです。
所沢教会協力牧師・連盟常務理事 中田義直